A 直帰率を改善する事はサイトのクオリティを上げる事になる。
「直帰」とはサイト訪問者が、アクセス直後のページから他のページに移動せず即離脱する事
離脱されないための改善方法は後述しますが、検索者が打ち込んだキーワードで、開いたサイトが期待はずれのコンテンツであった場合、これは検索者に問題の解決ならないと判断され直帰率は上がります。なので直帰率は低い方が良いです。
しかし直帰率を下げる事が検索順位を上げるための直接の対策では無く、相関関係があるだけだと理解した方が良いです。これは「上位表示されているサイトの直帰率は低い傾向にある」と表現した方が正しいという事です。
グーグルの直帰率に対する見解
GoogleのWebspam元責任者のMatt Cutts氏・・・「直帰率は検索順位に影響しない」
グーグルの公表を言い換えると、直帰率を下げるための作業は内部SEO対策の第一歩であり、少なからずともコンバージョン率をあげる指標とも言えなくもないですが、検索上位表示させるための絶対条件ではないと受け取れます。
そもそも直帰率はGA4の計測でサイト滞在時間を考慮しない指標のため、ユーザーエンゲージメントとは紐づいていません。滞在時間という概念が無いので、サイトの評価対象指標として扱いようが無いという事になります。
「直帰率は検索順位に影響しない」というのはGA4計測のシステム上の理屈でありもちろん直帰率は低い方が良いです。
訪問者が開いたページですぐに問題が解決したときも、ページをすぐ閉じるかもしれません。もちろんこの場合も直帰になります。サイトのキャッシュポイントが異なっても、直帰率が高いとコンバージョンに至る確率は低くなるのは確かです。
最終的に直帰率を含めたすべてのSEO対策の施策の目標はコンバージョン率を上げるという事に集約されます。
サイトの改善の目安
SEO対策は総合的な施策で、直帰率もそのひとつの指標であると言うだけです。直帰率が高くなると検索順位がすぐ下がってしまう原因であるという事ではありません。サイト作成ではコンバージョン率が最重要指標になります。そのための施策のひとつが直帰率の改善であり、サイトのクオリティを上げるためのパラメーターであると考えて下さい。
今後のサイト更新の際に直帰率を下げるために最低限の知識は必要です。直帰率は訪問者のサイト初見の評価の判断基準の結果の一部であり、直帰率の高さが最低限必要な知識の不足によるものであってはなりません。この知識不足が原因の場合はコンバージョン率改善の作業が、その割合だけ無駄になるという相関関係が成り立つからです。
サイトタイトルも直帰率に関係する
探したい本があったとき、あなたは真っ先にどんな情報が欲しいでしょう。書店に入ると一番に「売り場のコーナー」のカテゴリーで、探している本の置いてある場所のめぼしを付けます。次に本の背表紙でお目当ての本を探します。
そしてこの探している本が、「犬の服の作り方」だったとしましょう。この本の内容を検索エンジンで調べるなら、グーグルの検索窓に打ち込むキーワードは次のようなテキストが考えられます。
「犬の服」・「自作|愛犬服」・「犬の服|作り方」
書店の「売り場のコーナー」でもカテゴリーはは「手芸・ペット」で、本の背表紙のテキストを「犬の服」と想定し文字を追いかけて本を探すはずです。そして目的になるべく近く、魅力ある背表紙を探して手に取る本を決定します。
「犬の服の作り方」
「愛犬にオリジナルのかわいい服!徹底図解解説」
どちらを手に取るでしょうか。
本の背表紙を「サイトのタイトル」に例えるなら、上記の場合でしたら、後者の方が良さそうです。しかし、後者を選んでパラっとなかを見ると「図解解説」とありながら、細かい文字がビッシリで期待はずれだったらどうでしょう?
他のページも見る気にならず、すぐに本棚に戻してしまうはずです。
背表紙のタイトルが良いので本を手にしてもらえるが、本棚にすぐ返される。
これをSEO関連の用語にすると、
タイトルが良いので、クリック回数は多い。
[CTRは高い]が、「直帰率が高い」ので「本が売れない」となります。
CTRとは検索結果で表示されたタイトルが実際クリックされた回数を、タイトルが検索結果で表示された回数で割ったもので、CTRの値が高いほどユーザーはタイトルテキストに反応していて、魅力あるタイトルであると言えます。ユーザーが検索してサイトを開いた直後までの行動で、CTRが高く直帰率が低ければ初期段階のSEOで成功しているという事です。
「犬の洋服の作り方」というタイトルの本の目次で、見出しが「犬の散歩、エサ、犬の病気」であった場合は残念です。これは大袈裟な例としても、やはり一番目に付くところには、「自作の犬の服の画像」などを掲載するべきです。なので直帰率はいずれにしてもサイトを開いた瞬間に、ユーザーの期待を裏切っていないかという指標にもなります。
ユーザーは直感で判断する
上記をを徹底的に検証する必要があります。またロングテールキーワードでトップページ以外の深い階層にアクセスがあった場合に、トップページや関連ページに飛ぶリンクが設置されているなどのユーザビリティの部分も重要になってきます。
すべての訪問が57人でも、有効な訪問者は、21人という事になります。直帰率63%です。直帰率60%以上は改善の余地ありです。このあとトップページのデザインをスッキリさせるなどの更新で直帰率を42%まで改善させました。
当初の新規サイト作成で直帰率が60%を超えるようであれば、トップページのバナーデザインとサイトタイトルを改善するのが効果的な場合が多いでした。これは私が店舗のサイト作成提供の仕事で40サイトほど検証した事からの結果です。
注意点としては、タイトルは安易に変更してはいけません。アクセス数が伸びず直帰率が高い場合、それを改善するためにタイトルテキストを頻繁に変更すると、グーグルにスパム判定を受ける事があります。これはSEO対策での悪意のある行為と判断されるからで、「ユーザーを迷わせユーザビリティに欠ける行為」だと2018年にインタビューで公表しています。
なので、サイト作成の当初の作業である「サイトタイトル」の決定は、「キーワード検索数」も適切に考慮して慎重に決定する必要があります。アップロードを急がないのであればサイトタイトルは仮決めしておくのがお勧めです。
直帰率が低いサイトを作成するには普段自分が検索エンジンを使ったときに、すぐに閉じたくなるようなサイトを意識して検索し、研究しても良いと思います。そして反面教師として、逆にそのようなホームページを作らない事です。