サイト作成ソフトの進化で手軽に自分でホームページが作れるようになり、レンタルサーバー会社も様々なサービスを提供しています。サーバーにより色々な特長を持っていますので、その特長を、会社ごとに把握しておく必要があります。
またレンタルサーバーとの契約の際、最低限自分が必要とするスペックを満たしている必要がありますので、ある程度の知識を持ってから納得して契約しましょう。
料金だけで決めてしまうと後で困る事もあります。
安いでけでレンタルサーバーと契約しても、会社選びを間違ったり、プランの変更などが必要になると、結局後々高くついてしまう場合もあります。
「イヤなら気軽に乗り換える」という様なノリではありません。
それとレンタルサーバー会社とは、月々の使用料を支払う形式で、ずっとお付き合いしていく事になるので、快適性や安全性も考慮して、検討したほうが良いです。
なのでサポート体制や管理画面の使いやすさ、セキュリティ体制なども重要になります。
※ 一般的に個人でレンタルサーバーと契約する場合には、システム管理をサーバー会社に委託し、レンタルサーバーの一部を間借りする共有サーバーとして契約をします。
一般的にレンタルサーバーを借りる形態
root権限なし 共有サーバー
サーバー会社にセキュリティ、メール、FTP、など運用・管理を任せたうえで、サービスを受ける事になります。(広義でサーバーシステムの管理をサーバー会社側に任しているという事)そして、それぞれの機能やスペックは、プランの中から自分で選択する事になります。
上級者向けのサーバーレンタル
root権限あり
(セルフマネージメント)サーバーのシステム管理が自分で出来るテクニシャン用。
ハードウェア共有レンタルサーバー
一般的に借りるのは共有サーバーになります。容量というのは、この一つのサーバーを間借りするのにどれぐらいのスペースが割り当てられるか、って事になります。
ハードウェア専有型レンタルサーバ
一つのサーバーごと一社独占で借りることをいいます。他のユーザーの影響を受けません。サーバーまるごと自分の好きなように設定出来ます。
レンタルサーバーを検討する場合以下に記載した項目に、ザッと目を通して下さい。あらかじめ、あなたに必要な機能、性能を、確認しておく事をお勧めします。
レンタルサーバーに格納できるデータ量。共有サーバーで一人当たり、どれくらいの容量が与えられているかという事。当然容量が多いほど、たくさんのデータを格納できます。
この容量の数値は絶対値であり、データ転送量の数値とは分けて考えて下さい。
ディスクスペースは、くだけて言うとデータファイルがUP可能な実際の容量であり、どのくらいの規模のサイトが、何個くらい入るかと言う事になります。
初心者さんがホームページを作成するにあたって、10GB程度あれば十分です。さくらサーバーの一番安いプランでライトプラン(1,571円/年)の容量は10GBですが、まずこのサーバーの容量で問題が発生する事はありません。
ディスクスペースの容量がサーバーに置けるファイルの量なのに対して、データ転送量は、ファイルがユーザーに読み込まれている量(ダウンロード)です。
ホームページへのアクセスが多いと、転送量も多いので毎日、毎月、値が変わる事になります。メール等を無視してマルチドメインの場合で、ホームページだけを単純に考えます。
ホームページが閲覧された部分のファイル容量×アクセス数
ホームページへのアクセスのほかに、メールの送受信やダウンロードの量も関係します。
ようするに、転送量とは一定期間にどれだけサーバーからデータが、流れたかと言う事です。転送量が多くなるほど、当然サーバー(ネットワーク)に負担をかけます。
共有サーバーでは転送量が大きくなり過ぎると、その同じディスクスペースを使っているユーザーにも負担がかかってしまいます。この事から1契約当たりの転送量を制限する必要がある訳です。
転送量に制限がある場合は、「月間○GBまで」などとなります。またこの転送量を超えると、レンタルサーバー会社によっては、追加料金が発生する契約方法もあります。
転送量無制限というプランを掲げているサーバー会社もあります。これは簡単にいうとアクセスされ放題なのですが、初心者の方ではじめてレンタルサーバーを借りる場合は、特殊な場合を除いてこのようなプランを検討する必要はありません。
いきなり5,000ページぐらいのECサイトなどで、アクセス数が1日30,000人のホームページを、マルチで3っも4っも運営するなら別です。
では、少々荒っぽいですけど計算してみます。
メールの送受信や時間的、瞬間的なアクセスの偏りは無視します。
レンタルサーバーではプランごとに想定されている1日の、転送量の目安があります。例えば、さくらレンタルサーバーのスタンダードプランですと、「700GB/日」になっています。
1日の転送量が制限を超えると、WEBページの表示やメールにエラーが出る場合があるという事です。ホームページでは転送量オーバーのエラーメッセージで代表的な、404 Not Foundの表示が出て閲覧できなくなります。
数字で表しにくいのですが、400字詰め原稿用紙20枚程度で、動画なし、写真10枚で50KBぐらいの1ページのペラサイトがあると想定してください。
このページが1日に1,000アクセスあるとします。
.htaccess・・・
拡張子だけの変なファイルですが、このファイルを置く事でWebサーバーの動作を、ディレクトリ単位で設定可能にします。4行の記述で、2,3行目のみ記入。
AuthType Basic | ベーシック認証である事の記述。 |
---|---|
AuthName | ダイアログに記述されるテキスト [○○会員制サイト・・・・] |
AuthUserFile | htpasswdファイルを置いたフォルダをフルパスで記述。 |
require valid-user | 認証後アクセスに許可を出す命令の記述。 |
.htpasswd・・・パスワード、IDの記述。
ディレクトリ毎にBasic認証によるアクセス制限をかけるファイル。
共通パスワードの場合は1列。
暗号化されたパスワード | noboru:4dFDY3GYTRQg5fLO |
---|
この「2っのファイルを置いたフォルダ」以下のファイル全てに、アクセス制限がかかります。(ファイル別には原則、制限できません。)
またパスワード、IDは上記の例のように一つだけで、共通させる事も出来ますし、個人用に複数を割り当てる事もできます。
このようにアクセス制限をかけるには、ファイルを作ってフォルダ内に入れてるという作業になりますが、ファイルマネージャーの画面でこのような設定が出来るのか否かということです。
パスワードについても暗号化が必要ですし、邪魔くさいです。なのでこれらの機能がレンタルサーバーに集約されていると、簡単にアクセス制限が出来ますよって事です。
一般メールは送受信の設定を行ったパソコンでしか機能しませんが、ウェブメールは一般のメールと同じ性能で、ウェブメールのIDとパスワードを設定し、インターネットの環境があれば、携帯端末など、どつでも利用できます。
ウェブメールはブラウザを使ったメールのシステムであり、レンタルサーバーで利用できる場合は、管理画面で、ID/パスワードを決めて、メールアドレスを取得します。
一回のサーバー契約で間借りした共用サーバ領域を複数に分割し、それぞれスペースを設けて別個のドメイン名を割り当てることができる機能です。
通常追加料金等は不要で、一つのサーバーでウェブサイトを複数運営することができます。
もっと解りやすく言うと、分割され間借りしている共有サーバーをさらに分割し、そこにフォルダを作成して、ホームページをアップロードできる場所を用意できるということです。
当然使用容量はホームページのファイルの容量の合計になります。サーバー会社により、マルチで利用できるサイトの数には、制限がありますので確認して下さい。
またマルチドメインの利用自体がオプションになっているレンタルサーバーもあります。
サーバーの独自ドメインから、サブドメインを割り当てて使用する事。この割り当てと、送信の設定はもちろんレンタルサーバーの管理画面で行います。
サーバーの無料サブドメインをいくつ取得できるかは会社により異なります。
ファイル転送を行うときにFTPは、パスワードやデータなど通信内容が流されるため、簡単にパスワードを盗みとられてしまう危険性があります。レンタルサーバー会社がFTPよりセキュリティ効果の高い接続方法に、対応しているかどうか確認します。
SFTP
SSHベースのFTP。ファイル転送時に情報を暗号化するため、SSHを使用しています。コマンドの実行やファイル移動させるプログラムで、ネットワーク上で、データが暗号化され情報の安全を確保します。
FTPS
SSL/TLSベースのFTP。送受信するデータをSSLまたはTLSで、暗号化する。安全性を高めて第三者に情報が漏れないようにしたファイル転送形式で、簡単にいうと通信情報の暗号化を証明書を使って、2段階で行っていると思ってください。
なぜ転送(ホームページのアップロード)にセキュリティが必要か?
ウイルス・Gumblar(ガンブラー)・・・
FTPのアカウントを盗み、ホームページのHTMLを、改ざんしてしまうウイルス。このウイルスに感染すると、データの送受信が危険であるというより、FTPアカウント情報を保存していた場合、パソコンがウイルスに感染している時点で、アカウントが盗まれます。
私の知り合いで、ネットビジネスでお世話になっているT.Iさんが受けた被害も、このウイルスの被害を受け、復旧に大変な思いをされていました。。
ウイルス対策としてのお勧め事項
・・・見えるところに大切な物を置かない。
・・・暗号化より確実。
・・・被害に遭う確立を最小限にする。
・・・復旧が簡単になる。
家の鍵は破られても、お金は置いておかないみたいな感じです。
ホームページを訪問するユーザーに係わる、インターネットでの通信上のセキュリティです。
問い合わせ用のフォームや、アンケートページ会員登録フォームでの個人情報を守るため、データを暗号化し送受信するシステム。この面倒なシステムの証明書を、レンタルサーバー側が取得し、レンタルサーバー利用者で共有する事。
これはサイト管理者がユーザーに対して提供するセキュリティを、レンタルサーバーがサービスにしていると言うことですね。
CGI
PHP・SSI などプログラムを実行するためのサーバー上のルール・環境。
CGIプログラム
例えばネットショップで買い物をするとします。いくらの品物を幾つ買ったかは、あなたの立場では、ブラウザ上だけでの計算であり、結果に見えます。
でも実際このあなたの要求はウェブサーバーが、CGIプログラムを起動し、CGIプログラムの処理結果として、再度ウェブサーバーに戻し、その結果を見ていることになります。
このためのルールがCGIで、プログラムがCGIプログラムです。
投稿(フォーラムなど)を考えても、HTMLだけでは実現しない事がわかります。ユーザーからのサイトへの書き込みは利用者が、ホームページを動的に使っていると言う事になります。
またSSI との違いとして、CGIプログラムの場合は、HTMLの記述の書き換えまでを、全てプログラム(ファイル)内で実行している事にあります。
SSI
CGIプログラムはあなたが投稿、買い物など、何かアクションを起こしたため、プログラムがウェブから呼び出されて起動され、実行し、返事を返していました。
SSIでは、直接HTMLに記述でき、あなたのアクションに関係なく、レンタルサーバーに設置されたプログラムを動かしています。
例でいうと、「アクセスカウンター・訪問者履歴・日付や時刻」などは、あなたが何もしなくてもユーザーの意思に関係なく、プログラムは実行されていますよね。
それとCGIはファイルで管理されますが、SSIの場合では専用のファイルがあるわけでなく、HTMLのソースの必要な場所に、プログラムを実行するための記述がされています。
PHP
PHPもCGI上で動作するプログラムの言語です。クライアントからの入力情報を処理して、ウェブサーバでプログラムを実行し、リクエストをHTMLでブラウザに返しています。
フォーム入力など、ユーザーのアクションに対応することができます。
■静的なホームページ
HTMLのみで記述されているホームページは、管理者が中身を更新しない限り、いつ開いても同じ画面です。そしてユーザーの要求には答えてくれません
■動的なホームページ
上記のプログラムはホームページ管理者(ブラウザ)とユーザーの対話を可能にしたり、リアルタイムでホームページの情報を変更できるシステムと考えて下さい。
結論としてこのようなプログラムがホームページ上で必要な場合は、プログラムを使えないレンタルサーバーとは契約できません。またプランによってプログラムが使えない場合があるならば、そのプランで申し込まないで下さい。
一番身近な例で、ブログサイトの構築システムであるワードプレスでは、データベースがないと、動きません。ブログサイトを作成される方にはMySQL(データベース)は必須です。
データベースとは、PHPなどで使ういろいろなデータを格納しておく場所の事です。格納しておく情報の具体例をあげますと、ECサイトでは、商品・注文情報や顧客情報などです。
またフォーラム(投稿)では記事そのものであり、記事の検索などで情報を絞り出す場合はPHPと、データベースで構成されていたりします。
レンタルサーバー側の性能としては、データベースの処理速度と、ストレージエンジンと呼ばれる、データ保存形式の仕様の違いがあります。
またMySQL(データベース)の設置可能数がレンタルサーバーのプランによっても異なる場合がほとんどです。1っだけのものから数十個までありますので確認した方が良いです。
あるプログラムを実行する場合、そのプログラムをデータベースで動かすためのソフトが必要になります。そのため、データベースはそのプログラムに対応したソフトをサーバーにインストールして初めて利用する事が出来ます。
実はPHP・MySQL・CGI・SSI・PEARなどが使える無料サーバーもたくさんあります。詳しくは、レンタルサーバー比較でご紹介します。
サーバーのデータの送受信が安定しているかどうかという事と、システムの安全性などがサーバー環境として挙げられます。サーバーがインターネットに接続している回線が早いと、アクセスが混み合う時間帯でもストレスなく安定して、ホームページが表示されます。
これは送受信のパイプが太いかと考えて下さい。
また地震災害などに対して配慮された建物で、サーバーが管理されているかということも重要ですし、災害以外にも大きなシステムのダウン歴がない方がもちろん良いです。またそのような緊急事態時のシステムの復旧の対策なども確立されているかが重要です。
本当は機能、性能より、このサーバー環境が一番先にありきであると私は思っています。でも指標として重要なところなのに、判断材料が数値化しにくいのです。
現状ではやはり歴史があって契約者数が多く、規模の大きいサーバーが安全です。
サポートについては、電話対応があるのか?が一番だと思います。
これは、サーバーとの接続のトラブルで、その原因がサーバー以外の色々なところに及ぶ事もあるため、メールや問い合わせフォームなどでは、なかなか解決しないからです。
特に初心者さんは電話対応の可否がレンタルサーバー選びの重要な判断材料になります。
ホームページのアップロードは、ドメイン、FTPソフト、サーバーの設定が密接にかかわり、ちょっとしたミスでもホームページが表示されない事になります。
またフォルダの階層構造なども、初めての方は複雑に感じられると思います。しかしレンタルサーバー側にしてみれば、こちらの情報がすごく見えていて階層などは筒抜けです。また、サポート担当者はこちらのレベル(知識)をすぐ見抜きます。
なので電話サポートでは「対応手順」が決まっているので解決が早いです。
私が初心者の頃、さくらインターネットのサポートで2時間くらい話をしたことがあります。イヤな顔(声)ひとつせず、私が納得するまで親切に最後まで丁寧に対応して頂いた事は今でも覚えています。あの時の内容は、メールなどでは絶対に無理です。
管理画面の使いやすさやデザインも判断の一つになりますが、管理画面の中で操作する内容はドメイン、メールの設定などで、各社に大きな違いはないです。
なので慣れの問題だけと思いますが、しいていえば、さくらインターネットのファイルマネージャーの画面は特別見やすいです。
※ ファイルマネージャー・・・ブラウザでのホームページ管理。
さくらインターネットの場合は、このファイルマネージャーにより、ブラウザでアクセス制限で利用する.htaccess .htpasswdのファイルの作成と設定が出来ます。
これは店舗サイトや企業サイトなどで集客をされる方にとっては、会員制サイトや、ユーザーダウンロードサイトなどのアクセス制限ページを簡単に作成できるので重宝します。
アクセス解析やブログサービスの利用(簡単インストール)ができるレンタルサーバーもあります。このようなサービスが必要か不用であるかは別にして、しっかりご自身の目で、レンタルサーバー会社のホームページを確認する事が一番です。
契約会社のホームページをしっかり見る事で知識も身に付きますし、思いもよらない自分に必要な機能、性能などが見えてきたりするものです。