絶対に使ってはいけないCMSシステム
「AXIS」というCMS型のサイト作成ツールが、管理画面にログインが出来ないためサイトの更新ができない状態になっています。その理由は販売元のドメインが失効したためです。
ソフト制作者の矢野隆司氏が行方不明になり、マニュアルやツール本体、テンプレートがダウンロードできない事態になっていて、ネット上で大問題になったのです。
「管理画面にログインが出来ない状態」であるという事は、サイトが更新できないという事になり、別のソフトに乗り換えない限り、ホームページに記載している情報を消す事も、追加する事も不可能だということです。ホームページとしては死んだも同然です。
「AXIS」はCMS型、つまりWEB上でコンテンツを作成してサイトを更新する方法です。なのでネット環境が無いと全く何も操作できない事になります。また反対にサイト作成ソフトシリウス2など、このサイトでご紹介しているソフトは純粋なHTMLツールであり、オフライン作業になるので、手元にデータが残ります。
シリウス2の場合もオフライン作業ですが、ホームページをアップロードする際、PC上でHTMLデータに変換します。これはサイト生成と呼ばれ、パソコン上の専用フォルダの中にホームページのHTML/CSSのデータを残すという事になります。この生成データを書き換える事で、ある程度のサイト更新が可能になります。
このようにサービス側に「ホームページ作成の根元を握られる」ため、ドメインの取得、サーバーのレンタルも支配され、結局すべての面でコストが割高になります。またエクスポート(サイトの移転)は制限されていたり、料金が発生します。この移転作業は初心者さんでは、ほとんど不可能だと考えて下さい。
自分の必要に応じた環境を独自に作れる。サーバーをレンタルする場合も機能上必要最低限であるサービスと契約すれば節約になりますし、もちろん自分で選択したレジストラでのドメインの取得が可能です。
これは不測の事態にも自分で対応できると言う事です。特に最短ホームページテンプレートはテキストデータなので、たとえメーカーが無くなっても完全にホームページを自分で管理する事が可能です。シリウス2もサーバーとドメイン、はご自身の管理下なので、データが無くなってしまうと言う事はない訳です。
CMSツールという言葉が良くわからない方は下記動画をご参考にして下さい。
CMSソフトは、ネット上で管理画面にログインし、自分のサイトを更新するので、親元の販売者のドメインが失効するという事は、管理画面にアクセスできないという事です。
今回の事件のソフト「AXIS」は、ログイン情報の画面を管理しているのが、ソフト制作者である矢野隆司氏です。制作者が失踪し、ドメインを失効させたという事は、作成ソフト「AXIS」の購入者全員がサイトを更新できないという被害に見舞われたという事です。
そしてこのソフトを購入して間もない方は、マニュアルを見る事すら出来ない状態に至っているわけです。購入代金は丸損です。またネットビジネスで成果を上げていた方にとっては死活問題で、直接仕事に影響がでてくる事になります。なんともヒドイお話です。
犯人の矢野隆司氏は、結構ネット上では有名で、サイト作成において色々な優秀なツールを開発してきた人であり、この人を信頼していた方は多いです。ツール自体はものすごく良い物ばかりだった事は私も認めます。実践向きで使いやすい優秀なツールばかりでした。
しかし、その信頼していた人全員が矢野隆司氏に騙された被害者になってしまいました。実は私も被害者の1人です。問い合わせフォームのツールなど、この人間から数点の商材を購入した経歴があります。ログインできないツールはすべて使えなくなりました。
作成ツールのご購入を予定している初心者さんですと解りにくい部分ではありますが、要するにWEB上で機能するツールは避けた方がよいって事です。販売元の都合で動作しなくなる可能性のあるツールは、機能がどれだけ優れていても購入してはいけません。
WEB上で機能するツール=販売元の都合で動作しなくなる
これがCMSツールです。ネット上では、集団訴訟に向けて準備している方もいらっしゃいます。しかし時間の無駄に追い討ちをかける事となるでしょう。会社体制によらず、CMSツールはこのような事態を招く可能性が0では無いのです。
他のCMSツールで有名なのが、「QHM」と言う作成ソフトです。正式名がクイックホームページマーカーで、QHMを使いたい人は無料でダウンロード可能でした。(過去形)
十分無料版でも使えるレベルのソフトでしたが、有償版のQHMプロに切り替える事ができて、機能も多彩になるという商法でした。(過去形)またその上位機種としてhaikと呼ばれるソフトが販売されていました。(過去形)
販売元は北摂情報学研究所で、経営難から業務を他社に引き継ぎさせたのですが、ソフト購入者から見れば、事実上「会社が潰れたのと同じ」という自体になっています。
QHMの開発元がQHM事業を売却し、ソフト開発に肝心な「プログラムを扱える技術者」が会社にいなくなり、技術・製品をフォローできなくなっという事です。
最上級版のhaikのサポートはすでに終了し、もう今後アップデートさせる事はできません。また、ユーザーフォーラムも存在していましたが、現在は閉鎖されています。
QHMユーザーでは、同じCMSであるワードプレスに乗り換えたいという人が続出しました。しかし他のCMSへの引越しは、プログラムの仕様が違うため、簡単にインポート等でのサイトの一括移転は非常に困難になります。この作業は難解な知識が必要で、まず初心者さんで対応する事は絶対にムリです。
このため結局時間をかけてひとつずつ記事をコピーして貼り付けるという、途方もない作業をされた方もいらっしゃると思います。非常に気の毒なお話です。
ジオシティーズはインターネット上でサイト作成が出来るスペースとして、1994年アメリカで誕生し1997年に日本法人が設立され、2000年からはYahoo!ジオシティーズとして運営されていた日本で初代のCMSサービスであったわけです。
しかし採算面や、今後システムを維持するためのテクノロジーに関する複数の課題などを判断した結果、これ以上の継続は難しいという判断で、2018年の3月でこのサービスを終了しました。
サービス終了後のユーザーのホームページは、2020年4月にYahoo! JAPANがサーバー上のすべてのデータを削除するため、消えて無くなってしまいます。
すでに上記で廃止になってしまったサービス同様、ジオシティーズで作成されたホームページも独自ドメインで運用され、移転できたサイト以外は、URLを失いサイトは消えて無くなります。
独自ドメインで運用のホームページも、サーバーの引越しなどで、面倒であったと思います。
ドメインをサブドメインなどで、ジオシティーズから借りてホームページを運営していた方は、ホームページを継続する場合、ブラウザから文章や画像を抜いて、新たなホームページ作成ソフトに入れ換える事になったはずです。これがサブドメイン最大のデメリットです。
FTPソフトからファイルをダウンロードする方法もありますが、そのままでは使えず、結局のところ更新作業には作成ソフトを用意する必要があったかと思います。
元には戻せない!
一番厄介なのが、SEOにかかわる事項の変更です。
外部リンクがSEO上重要である事は言うまでもありませんが、ホームページのURLがサイトの移転によって変わってしまった場合、非常に不利な自体になります。外部サイトからの自分のサイトへのリンクを、そのリンク元のホームページ作成者に修正してもらう必要が発生するのです。こればかりは自分で作業できません。
また、これに加えて、ホームページ内の内部リンクもすべて変更する事になります。当然画像にリンクが付いている場合も同様です。想像を絶する大変な手間とお金がかかる作業です。その上ホームページのグーグルからの評価も落ちる事を考えると目も当てられません。そもそもURLの変更はいったんホームページの価値が0になるという事からです。
そして元の検索順位に戻すためには相当は苦労が必要であり、またホームページを移転させる作業を完璧に行ったとしても、順位が元に戻る保証はどこにもありません。
いかにシステムを他人のサービスに依存する事が怖いかが解ります。
ここでは、「Yahoo!ジオシティーズ、QHM、AXIS」の例だけを解説しましたが、この3っの会社の撤退だけでも、どれほどのサイト作成者が窮地に立たされた事でしょう。このような事からCMSサービスを使う事が、危険で無謀な事なのかを実感して頂けたかと思います。
ホームページは自分のシステムで作成しよう!
このサイトへのご質問には、上記の「AXIS」や「QHM」に対するご相談が多くありました。
「AXIS/QHMは他のレビューを見ると良さそうなのだが、どうでしょうか?」と言うお問い合わせです。ご質問の1割近くがこの内容で、数百件はご回答させて頂いています。。
私は一貫して「NO」とお答えしていました。これは大正解と言いますか、ホッとした気持ちでいっぱいです。ご紹介したソフトがスグ使えなくなるなど、頭の下げようがないです。
ホームページは財産になりますし、生活の糧になっているかもしれないからです。
私にとってインターネットビジネスは副業です。この仕事を頑張れば頑張るほど、色々な会社から自社の作成ソフトを紹介するようオファーが増えてきました。その時々で、金に流されずによかったという思いがあります。
ダメになった上記の2っのソフトは当然私も利用していました。両方とも使い勝手は非常に良いのです。「AXIS」などは、シリウスに匹敵するほどすばらしいソフトです。
しかし、ただ一点[システム]がCMSであるという事だけが心にひっかかり、紹介するのをずっと見送っていました。サイトを見てくれる人からすれば色々な選択肢があった方が良い事は承知していましたが、あと一歩その気になれません。
でも、このようなソフトをホントに紹介しなくて良かったと、今しみじみ感じます。もし紹介していた場合、実際どのくらいの人数の方に、どの程度の被害が発生していたかは、もちろん不明ですが、責任を取るべく術がないからです。
日本の会社の平均寿命は外資系を含め23年です。IT関係ではもっと短くなります。みなさんもご存知のWIXもJimdo(ジンドゥー)も、システムがCMSであるという事だけは覚えておいて下さい。利用するからには覚悟が必要なのです。
ホームページのアップロードなんて難しいようで覚えてしまえば簡単です。しかし初心者さんに付け込んだCMSのコマーシャルは散乱しています。WEB上のシステムだから簡単で綺麗で無料でSEOに強いホームページが作成できますよと!しかしほぼ嘘なのでお気お付け下さい。
特に初心者さんはHTMLサイトを自分の手で運営するという意識を強く持って欲しいです。それは自分を守るためになるからです。複雑なシステムは色々勉強してから始めても遅くないのですし、私のように無駄なお金を使う必要もないです。
会社体制の良し悪しの見分け方は何年継続して販売されているかって事に尽きると思います。その上、サポートがしっかりしていて、マニュアルがわかりやすく、またバージョンアップなどのアップデートが惜しみなく出来ているか?です。
アップデートを続けるられるという事は、自社のソフトをさらに開発していく技術力と経費が会社として「まかなえている」って事です。そして常にユーザーの声やクレームに耳を傾け続ける必要があります。
このように会社体制がしっかりした会社のソフトは、必然的に良いソフトである事は想像がつきますよね。長年売れ続けているソフトでないとダメという事です。
それとできればソフト制作会社は法人である方が良いです。あの数千人のユーザーに迷惑をかけたCMSソフト「AXIS」は、矢野隆司氏の個人経営で運営されていたのです。信頼は失墜し、もう二度とWEB上に姿を現す事はないでしょう。
シリウスはニューバージョンシリウス2に新しく生まれ変わり、残念ながらソフト購入から2年以降はサポートに7,700円かかるようになってしまいました。このサポートは継続する必要はなく、ソフトは使い続ける事ができます。
この理由はあまりにもソフトの販売数が増え続け、サポートや開発に数千万円のお金がかかるようになってしまったからで、端的に言うとマニュアルとバージョンアップが2年目以降で有料になったと言う事です。
この2年目移行のライセンス取得にお金をかけたくなければ、2年目からの有料サポートを更新せずに、数年後にバージョンアップが必要と感じたらライセンスを取得し直すという節約も可能になります。
私の方の対応ですが、シリウス2の販売でご購入者様にお世話になっていますので当サイトでご購入者様に限り2年後以降のサポートを無料でさせていただくことになりました。
販売停止になったQHMの方は、結論から言うと結局売れないソフトであったと言えます。たくさん売れて利益を上げてユーザーにサービスできているのなら、会社を売却していないはずです。
ツール開発はプログラミング能力の高い人なら、個人でも市場に参戦しやすいというのが、ネットビジネスの仕組みです。そこに経営能力がプラスされて、はじめて安心して使う事ができるソフトに育つものだと考えています。
個人経営で止まっている会社のソフトは私はもう、うんざりです。でも今こうしてこのサイトを立ち上げ、更新していられるのも、このコンテンツでご紹介したダメソフトにお金をかけたおかげでもあると感じています。
このような事を目安にランキング付けしたりレビューを書いています。
そして上記には無い条件ですが、万が一会社が潰れても、即更新できないなど、直接すぐにユーザーに不利益が発生しにくい事を考慮しています。私も使うわけですから当然です。
最新のアップデートがおこなわれているソフトであれば、販売会社が潰れてソフトの仕様が現状のままになったとしても、数年から10年くらいはツールを使い続けられるはずです。
現時点で完熟されているソフトなら、ユーザーがドメインとレンタルサーバーさえしっかり維持管理していれば、財産としてのホームページは守れるはずだと考えています。私もそのよな意識を持ってサイトを運営しています。
危機管理は大切な事です。販売会社は良いサービスを提供して当たり前ですが、ユーザー自身もこの危機管理をおろそかにしてはいけません。
話は少し逸れますが、私の場合はネットでサービスを提供しているため、サーバーを3っ契約しています。サーバーがダウンした場合でもすぐホームページを移し変える事ができますし、万が一の超巨大地震に対しても対応できるかもしれません。
このようにソフト選びも、ホームページの運用も、インターネットのシステムを利用する限り、最低限のリスクはつきまといます。でも、いかにそれを小さくするかです。私がご紹介している作成ソフトは、このようなリスクが小さいものに限って紹介しています。
これから自社の店舗・企業ホームページを自らの手で作成しようと考えられている方は、世間の評価に惑わされる事なく、王道のHTMLのサイト作成ソフト、テンプレートを利用される事をお勧めします。